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コラム

広報で企業価値を高める──実践から導き出した“共感型広報”の戦略的アプローチ

おかげさまで、創業3周年を迎えました。

皆様からの温かいご支援と、素晴らしいクライアント様、そしてチームの皆様に恵まれ、この日を無事迎えることができました。日頃のご愛顧に心より感謝申し上げます。

この3年間を振り返り、いちばん嬉しかったことは、何よりも広報の仕事を通じて、クライアント様にお喜びいただけたこと。その一方で、広報の本質的な価値が、一般的に認知されていない現状に課題を感じていました。

起業当初から、このような現状を踏まえて、広報のメリットを知っていただきたいという思いから発信を続けて来ました。

そして3周年を機に、今後はより一層「広報に関する啓蒙活動」に主軸を置いて取り組んでいく決意を新たにしました。

というのも、広報は経営に直結する秘めた力があるためです。広告や宣伝に比べて、広報は低コストで実施出来て、尚且つ、企業の信頼を築く力が圧倒的に高いとされています。

しかしながら、日本における広報の利活用は、海外と比べて遅れをとっており、広報後進国とさえいわれています。

日本広報学会の調査では、95%の経営者が「広報は経営機能」と回答する一方で、実際に「経営機能を発揮できている」と答えたのはわずか56%。広報の重要性は理解されていても、その力を十分に活かせていない企業が多いという現状が浮き彫りになりました。

この数年間でも、広報をはじめる企業が増加の一途であるにも関わらず、経営層の期待と実際の広報活動との間には依然として大きなギャップが存在し、広報の役割や実行力を再定義する必要性が高まっています。

その背景には、広報を意味するPublic Relationsと略語の「PR」という言葉が日本に伝わった際、「広告」や「宣伝」という誤った認識のまま広まってしまったことにあります。

さらに「プレスリリース」や「メディア露出」が主目的として重視され、件数だけが目標となってしまうケースも少なくありません。数字ばかりを求められ、心身ともに疲弊してしまう方も多く、実際、私の周りでも広報職だった仲間の過半数以上が別の職種にキャリアチェンジしてしまいました。

これまでも、スタートアップや中小企業の皆様のご支援をさせていただくなかで、もっと広報に取り組みたいけれど、人手も時間もないという声が多く聞かれました。広報をいかに持続可能な形で、効率的にビジネスに組み込んでいくかが、今まさに問われていると強く感じています。

広報コンサルとして現場に向き合うたびに、「これらの課題を解決する術はないものか」と切実に感じてきました。そして導き出した一つの答えが、広報を経営課題として捉え、効率的に取り組むための“仕組み”を構築することでした。

学生時代のインターン、そして新卒当初から、広報をライフワークとして歩んできたからこそ、広報を通じて社会に恩返ししたい。そんな想いを胸に、自分らしい「広報の啓蒙活動」とは何か、その在り方を模索し続けてきました。そのなかで辿り着いた考え方が「共感型広報」というアプローチです。

「共感型広報」は、広報を単なる情報発信ではなく、企業の“想い”と社会の“共感”をつなぐ戦略的な手段として再定義する考え方です。このアプローチでは、情報をただ届けるのではなく、“受け手の心に響かせる”ことを重視しています。社員、顧客、メディア、社会といった、あらゆるステークホルダーとの信頼構築を促進する広報戦略です。

広報に興味はあるけれど何から始めたらよいかわからないといった方や、経営視点で効率的に実践する方法を知りたい——そんな方に向けて、次の2つの取り組みをはじめました。もしご関心がございましたら、ぜひご覧いただけましたら幸いです。

1.note連載

経営に効く広報戦略をテーマに、実践的なチェックリストと共にご紹介。この度、私が考案した共感型広報の考え方をお伝えしています。

2.広報戦略講座

広報の基礎から戦略的な実践まで、3ヶ月で体系的に習得する全18回のプログラム。メディア対応、組織づくり、採用、オウンドメディア、ブランド強化、危機管理などを網羅し、信頼と共感を軸に企業価値を高める、伴走型の個別コンサルを含めた共感型広報プログラムです。モニター様も募集しております。

これからも起業当初の志——

  ビジネスの発展に貢献する広報を通じて

  明るい未来を創造し日本を元気づけていく​

    ——この想いを胸に尽力してまいります。

広報を通じて、企業と社会に信頼の架け橋を築くことを使命に、日本経済の底上げに微力ながら貢献していけたらと願っております。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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